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第1回 GLENDA GRIFFITH [レコード]

「芽瑠璃堂での出会い」
ワタシの話の中によく出てくるレコード屋さん「芽瑠璃堂」。学校からも近かったことと、渋谷あたりでは一番シンガーソングライター系、ウエストコースト系に強いお店だったので、最低でも2週間に1度くらいは行っていたかなぁ。
なにせもう25年くらい前の「昔ばなし」なので、ハッキリ憶えてるところと断片的にしか記憶が甦らないところがあるのでご容赦ください。

線路沿いの汚いビルの2階、入口をはいってすぐ左手壁側が確かSSWの棚。そこを「A」から順番に見て行くわけなのだが、「G」のコーナーで必ず目に止まるレコードがあった。2枚同じ物があって、どちらも中古盤。2枚とも1500円以内だったと思う。
そのジャケットがコレ。

名前は「GLENDA GRIFFITH」(1977年作品)

左上の数行の解説には・・・・
確かイーグルスファン必聴!とか書いてあったんじゃなかったかなぁ。
裏ジャケットには、
PRODUCED BY DON HENLEY WITH JIM ED NOMANって書いてあるが・・・
表ジャケットのネイティブアメリカンっぽいラグに包まれた女性は
FFMをちょっと不細工にしたって感じで結構地味。レーベルもアリオラアメリカ?なんて当時としては知らないレコード会社だったし、こんなにいつ来ても売れ残っているから、ま、いつでも買えるか〜
てな乗りで、学生生活を終え、帰省。
しかし、どうしてもあの印象的なジャケットと、「PRODUCED BY DON HENLEY WITH JIM ED NOMAN」というキーワードが忘れないでいました。

「新潟で発見!」
新潟に帰ってきたのが82年。この年、新潟市に寺尾というところに新しく輸入盤&中古盤屋さんがオープン。
ど〜せこんな所にろくなモンないだろうなぁ〜なんて思いながらも一応店内を物色。
そしたらなんと・・・・欲しかった70年代のSSWやAORの輸入盤がシールドでざっくざく。
就職していたので少しはまとめてレコードも買えるようになり、あれこれ抜いてる時、あのジャケットが目に入った。「GLENDA GRIFFITHだぁ〜・・・」と心でつぶやき、あの芽瑠璃堂で何度も手に取りながら、結局買うことの出来なかった「GLENDA GRIFFITH」。ここで出会えたのも何か運命かなって軽く思い、レジへ。
まだ、自分の車も持っていなかったので、バスに揺られ帰宅し、直ぐにヴィニールを破りターンテーブルに。
通して両面聴き終わった時の興奮は今でも忘れられない。音が聴いてもらえないのが残念なんだけど
一応、ざっと参加ミュージシャンを紹介。(参加アーティスト名はめぼしいところだけですが。)

ダニー・オキーフ、ダニー・クーチマー、クレイグ・ダーギ、ケニー・エドワース、ラス・カンケル、ドン・ヘンリー、JDサウザー、ティモシー・シュミット、ドン・フェルダー、ジョー・ウォルッシュ、トミー・モーガン、マイケル・ボッツ、ヴァレリー・カーター、カーラ・ボノフ、スニーキー・ピート、ワディ・ワクテル、キャロル・キング、アンドリュー・ゴールドなどなど
これだけのメンバーでレコーディングされたアルバムってそうそうないです。いくらウエストコーストの人脈があってもこれは凄すぎます。

SIDE 1
ANGEL SPREAD YOUR WINGS(ダニー・オキーフ作)
元々ダニー・オキーフのアルバム「BREEZY(邦題:そよ風の伝説)」に納められていた「天使の翼」がオリジナル。

こちらはそのダニー・オキーフバージョンの国内シングル。

THE VALENTINE PIECES(ダニー・オキーフ作)

NIGHT EYES(グレンダ作)
これはグレンダの書いた曲となっているが、ドン・フェルダーのアドバイスの大きさがハッキリした曲。まるで「駆け足の人生」

DON`T WORRY(マーティー・ロビンス作)
アメリカ、カナダ、ヨーロッパ等ではシングルカットされたカントリーテイストで溢れた名曲。

QUITS(ダニー・オキーフ作)
再び、ダニー・オキーフ作品の登場。1975年の彼の名盤「SO LONG HARRY TRUMAN」に納められた名曲。

このアルバムには初期の最強メンバーのイーグルス(グレン・フライ、ドン・ヘンリー、バーニー・リードン、ランディ・マイズナー)そしてリンダ・ロンシュタットもアサイラムから参加。

同じくこの「QUITS」をカバーしているのがクリス・ヒルマンの「CLEAR SAILLN」

グレンダ同様1977年作

SIDE 2
I CAN`T DANCE(トム・ホール作)
グラム・パーソンズの「グリーヴァス・エンジェル」にも収録のカントリーロックナンバー。

おそらく日本におけるグレンダにシングルはこれ一枚なのではないかと勝手におもっております。

EAGLE(キャロル・キング作)

HEAVENLY ISLAND(グレンダ作)
キャロル・キングのピアノ1本で演奏されたグレンダ本人のペンによる?1曲

ISN`T THAT SO(ジェシ・ウインチェスター作)
これまた、ドン・フェルダー色が強いナンバー。どうしてもドン・フェルダーのギターって特徴ありすぎる。

ALL MY FRIENDS(ダニー・オキーフ作)
アルバムのラストを飾るのが、ダニー・オキーフの1978年作
「AMERICAN ROULETTE」に収録。

これはグレンダに提供後に本人によるセルフカバー。
QUITS同様、この重要なナンバーである。

全収録曲10曲。どれも3分ほどの短いナンバーばかりだが、大きく分けると
・ダニー・オキーフ作品でダニー本人においても重要なナンバー
・ドン・ヘンリーを中心としたイーグルスファミリーによるナンバー(ドン・フェルダー色強し)
・いわゆるカントリーロック(限りなくカントリーに近い)
・グレンダ本人作(ドン・フェルダー、キャロル・キングの力強し)
こんな4パターンで構成。

資料が少ないため、国内盤の北中正和氏の解説を参考にすると・・・
アスペンの街でホームブルーというバンドで歌っていたところをツアー中のイーグルス(特にドン・ヘンリー)が着目。
その出会いが1975年、そしてこのアルバムが発売されたのが1977年。そう2年の歳月があります。
グレンダはこの時期ドン・ヘンリーと恋愛関係にあり、愛するグレンダのために、最高のソングライターと最高のミュージシャンを集め、アルバム制作にかかります。おそらくこの2年の間に2人の関係に?が起きたことが、アルバムの内容に大きく影響したのではないかと考えます(勝手な持論)1975年のダニーのアルバム「SO LONG HARRY TRUMAN」で親交を深めたドン・ヘンリーが、同じ時期に知り合ったグレンダにダニーの作品を選んだのは当然と言えば当然。しかし引っかかるのが「PRODUCED BY DON HENLEY WITH JIM ED NOMAN」ってところ。
勝手な想像から言ったら、数曲仕上がっていた段階で2人は破局。それをジムが引き継いだのではないかと。
ドン・ヘンリーが最後まで彼女を面倒見れるくらい愛情を注いでいたら、デビューもアリオラじゃなく、アサイラムやエレクトラの他の傘下から発売し、大々的なプロモーションを行えば、もっとこのアルバムは大きな成功をしたに違いないと確信している。実にもったいないアルバムである。
このアルバム1枚で姿を消してしまったグレンダ・グリフィス。そんな彼女のたった1枚のレコードだから、82年以来見つけたら買うって決めて買いも買ったり・・・・現在手元にあるのが、US盤と国内盤あわせて12枚。
本当は15枚くらいあったのですが、聴いて欲しい人にあげたりしてたら今の枚数に。

しかし、ここで重大な問題が判明したのです。
カナダ盤やヨーロッパ盤を持っていないので正確なことがわからないのですが、

USオリジナルのファーストプレスとセカンドプレスにはひっくり返るような間違い(多分)があったのです。
この詳しい(持論)は第2回で説明しますので、知ってる人・・・ネタバラしたらダメですよ。

今日はこの辺で。
最後に、プロの目から見たラグやバングルのコトなど、ベアトラックさんのコメントお待ちしております。


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コメント 12

parlophone

大安さん、ぼくはこの人まったく知りませんでしたが、すごいメンツですね。
しかも記事を読むとすごくよさそうじゃないですか~。
どうしてこんなアルバムが埋もれてるんでしょう。
すごく興味がわきました。
今度レコード・フェアみたいなものがあったら探してみます!!
by parlophone (2006-07-11 00:44) 

hamakaze_ataru

遼さん、コメントありがとうございます。
誰も来てくれないんじゃないかと心配してました。
特にレアなアイテムでもなく、普通にある中古盤なので見つけた際は是非。
未だにCD化されないのは、なにか事情でもあるんでしょうかね。
ただし、後編の内容にも出てきますが、ファーストプレスとセカンドプレスで大きく異なりが出ますので、ご注意ください。是非後編も見にきてくださいね。
by hamakaze_ataru (2006-07-11 08:16) 

ベアトラック

私もこのシンガー、初めて知りました。それにしても、すごい面々ですねぇ。私もこのレコード欲しい!
ちょっとわかりにくいので何とも正確なことは断言できませんが、彼女がまとっているブランケットは、カラーリングからすると、多分メキシカンかチマヨ・ブランケットではないでしょうか。チマヨは、アメリカ合衆国に併合されるまではメキシコのエリアでしたから、ブランケットのデザインやカラーリングに類似や共通点が多いのは、良くあることだと思います。
背景にあるオートミール・グレー・ベースのブランケットは、ナバホ純正か、チマヨかメキシカン製ナバホのレプリカかもしれません。似たようなデザインのブランケットは、たまに向こうの写真集などで見かけたことがあります。
ブレスレットに関しては、残念ながら今のところ、画像が小さくて何とも言えません。申し訳ないです。そういった意味でも、このジャケット(勿論、中身のレコードも)、是非とも欲しいなぁ。もっとじっくり見たいですね!
by ベアトラック (2006-07-11 15:52) 

MASA

まだ12枚もあるんなら、1枚ちょーだい(笑)。
by MASA (2006-07-11 23:41) 

hamakaze_ataru

じゃ、MASAさん、次回の出張で新潟に寄ることがあったら1枚差し上げましょうかね〜。(国内盤)
by hamakaze_ataru (2006-07-12 00:03) 

MASA

え、マジ?でも新潟はいつ行けるか分かんないんだよなあ。まあもしもその節はヨロシク。
by MASA (2006-07-12 01:29) 

GOMENTE

懐かしい!!芽瑠璃堂!!よく行きました。ボクの記憶ではBlues,R&Bはあそこで買え!というくらいそっち方面で有名なお店でした。たしか渋谷のメガネドラッグの裏の山手線線路沿いにあったですよね。CDが流行りだす前はスタックスのレコードなんかはほとんど廃盤でここの中古をよく探しに行きました。音楽聴くのもやるのも一番楽しい時期でした。。。
by GOMENTE (2006-07-15 11:36) 

hamakaze_ataru

ゴメンテさんいらっしゃいませ!
「芽瑠璃堂」への反応凄く嬉しいです。ありがとうございます。
そうです。山手線線路沿いにあったです!通は「ガルリ」って呼んでましたね。ワタシが主に物色していたのはBlues関連の向い側の島ですね。今でも使い残したチケットありますよ〜。
18〜22才ぐらいまで、いったい何回通ったことか・・・
最近はネットでオンラインショッピングやってますが、なんか「らしく」ない感じですね。
by hamakaze_ataru (2006-07-15 17:34) 

hamakaze_ataru

980円でUS 1stプレスがオークションに出てるよ〜。
by hamakaze_ataru (2006-07-16 13:54) 

GOMENTE

ほんとだ。まだあるんですね、芽瑠璃堂。奇しくもOrleansの新譜が紹介されてる。う、欲しい。。。
by GOMENTE (2006-07-16 15:47) 

hamakaze_ataru

Orleansの新譜、ちょっとそそられますね。ラリーまだ声でますかね?ちょっと心配。
by hamakaze_ataru (2006-07-16 16:13) 

ひろ

こんばんは。今日久しぶりに彼女(グレンダ・グリフィス)のアルバムを聞いたので、ちょっと気になって検索してみました。
しかしすごいですね~。ダニー・オキーフや彼女のシングル盤をお持ちだなんて。なんだか脱帽です。
私はダニー・オキーフが好きなので、その事から昔このアルバムを購入いたしました。
by ひろ (2012-04-01 23:56) 

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