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「Wind on the Water」が教えてくれたもの(前編) [レコード]

ただ好きなアルバムを自分の言葉で紹介し、数行の記事でまとめられたら・・・
どんなに楽なんだろうって思います(笑)
私も、そして訪問してくれる皆さんにも。
予告編にも書いてしまったから、
少しだけ「ローリング・ココナッツ・レビュー」の話と「鯨」の話もいれますね。(後編)に。
でははじまりはじまり〜!

中学生の頃の話だから、今から31年も前の話??(四半世紀以上前かぁ・・)
当時の中学生のレベルの話として聞いて下さい。

「洋楽好き」っていう言葉が、かぐや姫や、拓郎、陽水好きって公言してるクラスメイトより
自分達は次元が高いんだって思っていた、そんな時代。
今でこそ、中学生でレッチリが好きだとか、
この間、ホワイトスネイクを母親と見に行ったなんてことが
全然不思議じゃないことだけど、
昭和50年前後に15歳だった私たちの周りに状況は・・・・

普通の15歳
郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎のいわゆる「新御三家」や
山口百恵、桜田淳子、麻丘めぐみなどの、シングル盤を買い、
明星、平凡の付録のポスターを自分の部屋に貼ってるタイプ
男女問わず、これが一番普通だった。

ガッツな15歳
ここでは派閥が出てくるが、フォークソングファン。
かぐや姫好きと拓郎好き、そして陽水ファンは互いを認めない(笑)
しかし、「ガッツ」「ヤングギター」等のコード譜が出ている
雑誌の読者としては共通性がある。

洋楽な15歳
ここも派閥はあるが、アーティストによる派閥じゃなく、ブリティッシュ・ロック派、
プログレ派、そして若干のビートルズ派と、もっと少数なアメリカンミュージック派。
ここで「洋楽大王」として君臨出来るのが、ツェッペリン好きとクリムゾン好き。
この両者はディープ・パープル好きをダサイと笑い、イエス好きを鼻で笑う。
ビートルス好き(私なんかも)にいたっては、
「ロックじゃない。ポップだ!ZEP聞いてみろよ〜」なんて仕打ちに・・・・
しかしそんな偉そうなこと言ってる連中も1975年当時の中学生。
情報収集は「ミュージックライフ」か「音楽専科」・・・情報には限りがある。

私は卑怯にも「ガッツな15歳」には混ざらなかったが、南沙織のポスターと
ジミーペイジのポスターを一緒に貼って、
レコード屋さんがくれるビートルズのカレンダーも飾りつつ、
「ミュージックライフ」「音楽専科」も見るが、「ニューミュージックマガジン」も読み、
エピタフやイージーマネーを口ずさむようなヤツでした。

そんな節操のない私がショックを受けたのが、
友人の家で聞いたCSN&Yの「デジャ・ヴ」

デジャ・ヴ

ヤツはレコードかけながら、「ヘルプレス」を歌っていた。これは衝撃的だった。
今まで自分の耳には届かなかった音楽だ。そんな彼の兄の部屋にはCSN&Y、AMERICA、JACKSON BROWNEの
レコードが・・・そしてタバコ臭い部屋だった。彼の兄は3つ年上の高校三年生。
私にも兄がいるが5つ上でSPレコードと昭和歌謡のコレクター・・・・
おかれた境遇に違いを憂いだ(笑)
そんな友人の家に通い、アメリカの(特にウエストコーストサウンド)音楽を楽しむ日々だったのだが、
どうしてもCSN&Yが馴染めない。CSN&Yというか、ニール・ヤングが馴染めない。カナダ人だからかな〜なんて
バカなことも考えたが、それは違った。声だ。ニール・ヤングの声になじめていなかったんだと解った時、
もう一つの疑問も解けた。CS&Nを聞いた時、ハーモニーはいいんだけど、
どうしても耳に馴染まない声が混じっている。ニール・ヤング程ではないが、ダメだ。
そう、スティーヴン・スティルスだ!!CSN&YのファーストもCSN&Yの「デジャ・ヴ」も心に響いたのは
デイヴィッド・クロスビーとグレアム・ナッシュの曲と声。ハーモニーの要はこの2人なんだと解った時
から、今日までニール・ヤングとスティーヴン・スティルスの声に馴染めないでいる。

そんなことに気が付いた頃、「ニューミュージックマガジン」で輸入盤情報を見、「ミュージック・ライフ」の記事で
来日を知ることになる。もちろん高校受験を控えた15歳が、12月に東京へコンサートを見に行けるわけもなく、とりあえず
彼らの新譜「Wind on the Water」を当時から得意(笑)だった通販でUSオリジナル盤を購入。
年が明けて1976年1月、お年玉貰ったから近所のレコード屋さんで国内盤も購入。
解説読まないと解らない事だらけだったし、歌詞も見たかったから・・・
今思えば、この「Wind on the Water」が、私のウエストコースト道の第一歩だったと思う。

今回はderosa84さんのグログ「好きなコト好きなモノとの生活」をパクってレコードの背景にラグ敷いてみました。
derosa84さんはオルテガなので私はセンチネラにしてみました(笑)ごめんね。パクって!


「Wind on the Water」 abc Records
ABCD-902
コーティングが綺麗なUSオリジナル。


中袋は淡いトーンではあるがカラー印刷


「Wind on the Water」 Polydor
MP2515
印刷悪し。国内盤


ライナーノーツ&歌詞カード兼用。特色1色刷り。
予算なかったの??


こんなに色の雰囲気違います。左がUSオリジナル、右が国内盤
USオリジナルは若干暗めでシアンが強い印象。
国内盤は写真の大きさも若干違い、こちらはマゼンタ強め。
とても同じデュープから起こしたとは思えない。

side.A
1. Carry Me
2. Mama Lion
3. Bittersweet
4. Take the Money and Run
5. Naked in the Rain
6. Love Work Out

side.B
1. Low Down Payment
2. Cowboy of Dreams
3. Homeward Through the Haze
4. Fieldworker
5. To the Last Whale
(a) Critical Mass (b)Wind on the Water

簡単に内容等を紹介しますと・・・・・

参加ミュージシャンもセクション(ダニー・クーチマー、ラス・カンケル、クレイグ・ダーギ、リーランド・スクラー)を中心にデヴィッド・リンドレー、ジュエル・バーンスタインがバックを固め、ゲストミュージシャンとして、ジャクソン・ブラウン、ジェームス・テイラー、キャロル・キング、レヴォン・ヘルムなどがコーラス等で参加しています。

おもしろいなぁ〜って改めて思うのが、ウエストコーストサウンドと言っても
イーグルスを核としたテキーラサーキットのウエストコーストサウンドとは明らかに異なる世界がこのアルバムにはありますね。ジャクソン・ブラウンなどはどちらにも属す訳だけど。セクション自体がイーグルス人脈とは絡んでいないし、もちろんジェームス・テイラーも。
イーグルスを核とした・・・と書いたが、本当はリンダなんかが核の中心にいて大きくなった「新しい波」とバーズ、バファローからなる60年代の香りと殺気を秘めた「伝説の波」の違いかな??元々ジャクソン・ブラウンはそのどちらにも顔をだしていたから、どちらにも属すことが出来ると思うんだけど、やはりクロスビーとの関係は深いし、尊敬と失望を繰り返しながらも続く交流はいったいなんなんだろうって、考えたりします。

前置きがまた長くなりましたので・・・こんどこそ簡単に内容を!(汗)
1曲目の「Carry Me」は私の中ではクロスビー作品ナンバーワンです。メロディーラインの美しさも然ることながら、詞が泣けます。クロスビーの心の叫びですね。2曲目の「Mama Lion」はナッシュの作品。彼らしいファンタジー感溢れる内容に。以降ほぼ交互にクロスビー作品とナッシュ作品が続きます。それぞれの個性に富んだ内容で全く違う世界観を表現しているのですが、セクションの演奏が完全にクロスビー&ナッシュのバンドとして機能しているので、
流れに違和感なし。個性の強いミュージシャン集団なんだけどね。ジャクソン・ブラウンのアルバムと同じ音がするのって凄く当たり前のことなんだけど。(笑)
「Love Work Out」でのダニー・クーチマーのギターソロは必見!まさにバンドサウンド!!バンドとしての結束と信頼無ければ、こんな長いソロは絶対魅かせないはず。
イギリス人の作るカウボーイの生活、暮らし。思いを歌った「Cowboy of Dreams」が興味深い。
随分はしょってしまったが、最後の曲へ。
問題作「 To the Last Whale/Critical Mass/Wind on the Water」
捕鯨禁止を訴えるこの曲にまつわる話しと、日本とアメリカの価値観の違いが大きく表面化した結果、様々な問題を残した1977年の「ローリング・ココナッツ・レビュー」を〈後編〉で振り返ります。


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derosa84

長文読んでいたら、いきなり僕の名前が出てきてびっくり!
遠慮なさらずパクってくださいな。(とはいっても僕が初めてやったわけもないだろうけど)それにしても専門用語が・・・シアンだのマゼンタだの。デュープとか

そして中学時代、ジェフペックやプログレ聴いているやつらにスージー・クアトロ聴いていた僕は散々馬鹿にされた事を思い出しました。
by derosa84 (2006-07-25 00:19) 

ベアトラック

読んでいたら、僕の名前も出てきてビックリ!あ、野口五郎だった・・・
相変わらず長文でんな~。これから東京に向かうので、アメリカに着いたら、また改めてじっくり読まますね。i Hasta Luego !
by ベアトラック (2006-07-25 05:45) 

hamakaze_ataru

あっはははは。また長くてごめんない。
印刷用語懐かしいかったかな?写真見て同感でしょ?
「もっとC引いて少しMあげるか・・・」って感じだよね。
ビートルズ聞いていて馬鹿にされた時代だからね。今の中学生とかってどうなんだろね?
聞いてたら馬鹿にされるようなモノってあるのかね?
by hamakaze_ataru (2006-07-25 11:01) 

hamakaze_ataru

Hola! Buenos dias! Como estas, beartra?
じゃなくて野口五郎さんでしたっけ?(笑)
毎回読む気も削げる内容ですんません。
帰省&商談の旅、気をつけて!

! HASTA LA VISTA !でもいいのかな?違うかな?
by hamakaze_ataru (2006-07-25 11:12) 

ベアトラック

OKです。 i HASTA LA VISTA ! は SEE YOU AGAIN で、 i HASTA LUEGO ! は SEE YOU LATER ですね。アルバカーキのモーテルで、ゆっくり再読させてもらいます。
by ベアトラック (2006-07-25 11:38) 

Refugee

このウインド・オン・ザ・ウォーターってアルバム、インナースリーブだけ持ってます。なんか、別のLPを中古で買ったとき、中に紛れ込んでました。
以来、見つけたら買おうと思っているレコードなんですが(すごい理由 笑)、あんがい米オリジナルは見つからないんですよね~

私の中学時代はというと、キッスとベイシティ・ローラーズが全盛でした。で、ベイシティ・ローラーズ派がバカにされてましたね。
私はというと、パープルからZEPにいって、ビートルズに遡りつつ、リアル・タイムものだと、クィーン、ジューダス・プリースト、デビューしたてのヴァン・ヘイレン
あたりを聴いてた記憶があります。
ウエスト・コーストは、イーグルスぐらいでしたねぇ。って、これはホテカリ大ヒットで、洋楽好きで聴いてない人はいませんでしたが(笑)
by Refugee (2006-07-25 12:39) 

hamakaze_ataru

Refugeeさん
いらっしゃいまし。
しかしインナースリーブだけ持ってるってヒト、そういないでしょうね〜。
米オリジナル探しておきます(笑)
この後の「Whistling Down the Wire」は米オリジナル案外あるんですけど、逆にCDが無い。
ヴァン・ヘイレンの登場は強烈でしたね。
ベイシティ・ローラーズは「You Made Me Believe in Magic」名曲ですね!!大好きです。
イイ楽曲も多いので過小評価は残念なんだけど、あのスタイルはイケてませんでしたね。
「後編」書き始めようと思ったら、さっき、tom pettyの新譜が届いてしまった!!
プロデュースはjeff lynneだし・・・あ〜どうしよう!!!
by hamakaze_ataru (2006-07-25 12:56) 

Refugee

あ~私、ベイシティ・ローラーズは、実はまったく聴いたことないんですよ(^^;
なんだか、私の周辺では、盛り上がってたのは女の子中心で、男で聴いてると、相当冷たい視線にさらされたという・・・

ところで、全然話は違いますが、しばらく前に45RPMさんから、大安さんにお詫びのメールを出したいんだけれどもアドレスわかりますか?との問い合わせのメールをいただいたのですが、事情がよくわかりませんでしたし、大安さんのお気持ちもよくわかりませんでしたので、申し訳ありませんが存じ上げませんというようなお返事をいたしました。
ネット上では、書き言葉だけの世界でちょっと行き違いがあったのかと思うのですが、よろしければ、refugee1963@infoseek.jpまでメールしていただけると、45RPMさんのほうに私からメールいたします。事情がよくわかっておりませんで、間に入るのも難しく・・・・(^^;
by Refugee (2006-07-25 13:34) 

GOMENTE

あー、覚えてる。このジャケット。そうですか、セクションがバックだったんですか。CSN&Yは今でも苦手意識があってこの人達のアルバム、持ってないんですよ.でもあの時代は。。。まさに大安洋行さんのおっしゃるとおりだったですね。ボクはいきなりエレキから始めたのでアコギの人は最初あんまり聴かなかったんです。で、最初に聴いたのがSスティルスだったからよけいそっちに行かなかったんですよね。。たぶん最初に聴いたのは「ウッドストック」での「青い目のジュディ」で、「。。。長ぇ。。。」とか思って。。。縁がなかったんだなあ(笑。いまもう一度聴いたらすごく良さそうです。
by GOMENTE (2006-07-26 08:22) 

hamakaze_ataru

GOMENTEさん、こんにちは。
CSN&Yのとくにアクの強いSとYを引くと、イイ感じです(笑)
確かにアコースティック感は強いですが、これもジャクソン・ブラウン同様
セクションのバッキングがいい感じのグルーヴ感だしてますから、
1組のバンドとして楽しむことが出来ます。
ローズマリー・バトラーとダグ・ヘイウッドがいたら・・・もう、まんま
「ランニング・オン・エンプティー」ですから・・・
GOMENTEさんが言うように、最初のとっかかりが、その後の自分の方向性(音楽的)まで
決めてしまうから、出会いは大切です。
「青い目のジュディ」なんで組曲なんだよ〜って感じ。長い!
by hamakaze_ataru (2006-07-26 10:15) 

ベアトラック

やっと自分のブログが出来た~。こんな難産なら、現地でアップなんて言うんじゃなかったぁぁぁ・・・もう1:00AM。4時起床・・・できるかな。明日はうまくいきますように。ということで、今夜もじっくり読めませんでした。当分、更新しないで下さいませ。おやすみなさい。
by ベアトラック (2006-07-26 15:55) 

hamakaze_ataru

ベアトラと〜ちゃん、お疲れ様!!
巧くいってよかったですね。
マメなベアトラさん、アルバカーキから「nice!」なんて入れてないで早く寝なされ(笑)
by hamakaze_ataru (2006-07-26 16:16) 

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